こんにちは!おかだです。

安全かつ快適にスポーツサイクルを楽しむにあたって、ブレーキの性能は最もこだわるべきポイントと言っても過言ではないかもしれません。止まらない自転車で走るのはめちゃくちゃ怖いです。時をかける少女でもトラウマシーンがありますね。怖すぎィ!

自転車にはいろんなブレーキがあります。

・キャリパーリム
・カンチ
・Vブレーキ
・機械式ディスク
・油圧式ディスク
・ロッドブレーキ
・バンドブレーキ
・サーボブレーキ
・ローラーブレーキ
・コースターブレーキ

パッと思いつくのでこんな感じ。
その中でさらに細分化されます。放熱フィン付きとかワイヤーの引き方とか。
現在、いわゆる流行のロードバイクやクロスバイクは

・キャリパー
・Vブレーキ
・機械式ディス
・油圧式ディスク

の4つが主流です。
2020年前後から業界全体がディスクブレーキへの移行の動きを見せ、2024年現在は本格的なスポーツサイクルではディスクブレーキが台頭していると言っていい状況です。そこで起きているのが

「リム・ディスク論争」

いち自転車技士としては「自分の好きなん乗ったらええがな」の一言なんですが、その背景や結局どっちがいいの?ってことについて個人的な見解を述べていこうと思います。

【性能の比較】

それぞれにメリット・デメリットがあるので好みが分かれるのは当然です。
結論から言うと、ブレーキ性能「だけ」比較すると「油圧式ディスクが圧倒的に優位」です。

・最も軽い力で引ける
・油圧の制動力が強い
・ディスクブレーキは天候の影響を受けにくい
・タイヤ幅の選択肢が広い
・フォークの剛性が高くなる
・ワイヤーの通し方の自由度が高い

というところが主なメリットです。
それゆえに、特にハイエンド思考の方は油圧ディスクを推す傾向にあります。
高級バイクは軒並み油圧ディスクですし。
しかしながらデメリットもありまして

・価格が高い
・システム全体の重量が重い
・メンテナンスに専用工具や技術が必要
・出先でトラブルが起きると復旧が難しい

などが挙げられます。
次に機械式ディスクを見てみましょう。

・システム全体は油圧より軽い
・メンテナンスがしやすい
・油圧より安い

と、なかなかメリットが多そうです。
天候と剛性感とタイヤ幅については油圧と同じです。
デメリットは

・油圧の方が制動力が高い
・リムブレーキよりもやや高価
・リムブレーキよりもやや重い
・ワイヤーの通し方に制限がある

といった感じでしょうか。
そして最後にリムブレーキです。
メリットとしては

・システム全体が最軽量
・輪行が楽
・メンテナンスが楽
・比較的お手頃な価格

デメリットは

・制動力は油圧ディスクより劣る
・リムの寿命がディスクより早い
・天候の影響を受けやすい(雨で滑りやすい)
・ワイヤーの通し方に(以下略)

といったところでしょうか。
クロスバイクのVブレーキだとタイヤ幅の選択肢は広いですが、キャリパーだと一般的にはせいぜい30c前後がいいところです。ロードバイクで太いタイヤを履かせたい人はディスクの方が良さそうですね。

細かくは他にもいっぱいあるんですが割愛します。ですが、上記にもあるようにディスク化の恩恵はブレーキ性能だけではありません。

・タイヤ幅の選択肢が広がる
・フォーク(フレーム)剛性が高くなる

このあたりも副産物的にメリットと言えるでしょう。
ディスクが必ずしも優れているか?といったら話は変わります。
先ほど述べたように、リムブレーキにも当然メリットがありますからね。

・軽量
・メンテナンス性の良さ

この辺りは本当に強いメリットですね。特に輪行や車載で自転車を持ち運びたい方は、軽量なリムブレーキは恩恵がでかいです。出先でのトラブルに強く、スポーツバイク専門店でなくても修理がしやすいのもいいところです。遠出したり旅行の友としてはリムの方が個人的にはいいなと思います。
ヒルクライムに熱心な方は体重が軽い方も多いですから、必要な剛性が少なくリムブレーキの方が軽く組めるのでレース勢にも根強い人気があります。

某海外プロチームも、こだわってリムブレーキを使っていたというケースもあります。今はディスクになりましたが笑

肝心の制動力ですが、僕個人の見解では
「リムブレーキでも充分」です。
富士ヒルの下り25kmもリムブレーキでした。体重100kgオーバーでより強い制動力が必要な僕ですが、リムブレーキで良かったです。より楽に、となると油圧ディスクに軍配が上がりますが、登りの楽さを考えるとリムで正解だったなと思います。
ちなみにアルミリムです。カーボンリムは使ったことないのでわかりません。
ですが、「リムが止まらない」というよりかは、シューとリムの相性や組み付け方の影響が大きい印象です。

一方で、スルーアクスル化による剛性アップは体重の重いおかだ的にはものすごく恩恵があります。リムブレーキの車体でもDT SWISSのスキュワーを使っています。

最初に言った通りですが、それぞれにメリット・デメリットがあるので
「好きなの使ったらいい」
これに尽きるわけです。
ちなみにおかだは現在、機械式のディスクブレーキをメインに使っています。
街乗り用はリムですね。メンテが楽で交換パーツも安いです。

【では、なぜ論争が起きるのか】

僕の結論はこれです
『機材・知識マウントとるやつのせい』
これに尽きます。もうおこですよ。おこ。

確かに油圧ディスクは高性能で最新のトレンド、比較的高価で自慢したくなる気持ちはわかります。
ですが、リムブレーキにもメリットがあり、決してただ古い仕組みというわけではありません。
その辺りがわかる方だとそれぞれの魅力がわかるので機材マウントは取らなくなると思うのですが、
まだそういう知識がない方はスネ夫ムーブをかましがちです。

人によって欲しいもの・必要なものは変わります。
必ずしも高級・高価なものが必要だとは限りません。
たくさん荷物を運びたい方がフェラーリのスポーツカーを選ぶでしょうか。
パーティ会場に登山靴で行くでしょうか。
予算に見合ったもの選びをすることが恥ずかしいことでしょうか。

判断材料の知識が少なく視野が狭い人ほど、こと資本主義社会においては値段を基準に一元的な判断をしがちです。

日高屋のラーメンでどの味が優れているかを言い争うようなもんです。
「自分はこれが好き」で終わればいいものを、わざわざ他人の注文にケチをつける人がいるから争いが起きるんじゃないでしょうか。「え?あなた日高屋きたのにチゲ味噌ラーメン頼まないんですか?素人はこれだから・・・」って感じです。抜群に鬱陶しいです。そんなんされたらお店は悪くないのにもうそこには行きたくなくなりますよね。常連がいつもそんな顔してたらそのお店はどうなるでしょうか。もうお分かりですね。そういうコミュニケーション不全は中学卒業くらいの時期に学んでおいてください。
関係ありませんが僕は日高屋だと野菜たっぷりタンメンが好きです。


特にこういった話題はSNSなどネット界隈では事欠かない昨今ですが、
むしろ若いうちはそういう議論を重ねることはとても大事だと思います。そこから知識を得たり恥をかいて大人になるからね!どんどんやればいいとおじさんは思っています。

が、チャリクラキッズのかわいらしい論争に大の大人が首を突っ込むのはナンセンスです。
そういう年齢を超えたコミュニケーションもSNSの醍醐味だとは思いますが、「おっさんが中高生相手に愛車の値段自慢するのは寒い」という感覚くらいは社会通念として身につけるべきです。

【自転車は自由でいい】

一方で、リムブレーキが安価なバイクに採用されがちなのも事実です。
あこがれの自転車が高価すぎて妥協したという方は多いと思いますが、そのコンプレックスからハイエンドを必要以上に過大評価・敵視してはいないでしょうか。酸っぱい葡萄です。
それぞれの良さを知り、自分の価値基準で自転車を楽しみましょう。
自転車は自由だぞ!

余談ですが、「かっこいい自転車」とは「オーナーに愛されている自転車」だと考えています。
あなたの自転車はかっこいいですか?
値段や年式や他人からの評価ではなく、あなた自身でその自転車の良いところをぜひ見つけてください。

そしてパーティ会場に登山靴で来てたり、荷物を運ぶためにフェラーリ買おうととしてる人には、そっと見守るか趣味の先輩として優しく教えてあげたいですね。
もしかしたらその人が、これからの自転車業界を支える人になるかもしれません。
メンテナンスの神になるかもしれませんし、トップ選手になるかもしれません。自転車の楽しさを広めるインフルエンサーになる可能性もありますね。

随分と話が脱線してしまいました。


ただでさえ価格の高騰が嘆かれる自転車業界ですから、新規参入は業界の超重要課題です。
楽しい沼に入り込もうとしている人がいたら、逃げ出されないように優しくしようじゃありませんか。


おかだ

1件のフィードバック

  1. 初めまして60代のジジイです。
    20年前、MTBは既にDISC仕様で自分のはシマノ油圧DEORE -SLX(ロードで言うと105のグレード)でした。確かにリムブレーキに比べると効きはよかったですね。が、左右のブレーキパッドに対してローターのセンターが出ずに時々ローターがパッドに当たるのには閉口しました。当時スルーアスクルの仕組みはなく、フレームとホイールは普通にクイックリリースで固定します。ちゃんと固定してるにも関わらず当たる時と当たらない時があるわけです。ショップに相談すると「自転車のDISCブレーキに精度を求められても困る」と言われたのを今でも覚えています。ロードは4台に乗り継ぎました。全てリムです。4台目の時はリムorディスクの選択肢はありましたがリムにしました。今はスルーアスクル仕様で剛性もパーツの精度も上がってるのでしょうが、出先でのトラブルの話はよく聞きますよね。出先で自転車はこれ駄目、自分はNOです。もう歳なので5台目はないと思いますが、買うなら迷わずリムですね。

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